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Q&A
<Q60> エレアコを購入しようと思います。箱物とソリッド・タイプのものとどちらを選べば良いでしょう?
Iさん (2017/4/13)
<A> 矢萩秀明

 相談内容は、「エレアコを購入しようと思うが、箱物(昔ながらの共鳴胴を持ったギター)とソリッド・タイプのものとどちらを選べば良いか?」というものです。
私は、どちらのタイプも使っています。
それぞれにメリットとデメリットがありますから、状況に合わせて使い分けています。

私の経験から言わせて頂くと、編成の小さいアコースティックなアンサンブルの場合は箱物が良いし、編成の大きなエレクトリックなアンサンブルではソリッドが良いでしょう。
箱物のギターは、胴が共鳴するので鳴りが豊かでそれなりに低音域も出ます。ソリッド・タイプのギターは、共鳴胴がありませんから、全体に深みがないように感じます。楽器単体では、箱物のギターの響きの方が優れているように感じます。
しかし、問題はPAの音響装置を通って客席にどんな風に聴こえるかなのです。
編成の大きいエレクトリックなバンド・アンサンブルの場合は、多くの楽器の音が重なる為、帯域によっては音同士がぶつかり合い、邪魔し合ってしまうことがあるのです。
こんな時に、箱物ギターでは胴鳴りの低音域がベースやピアノなど他の楽器の低音域と重なり合って、明瞭度を下げてしまうことがあります。
そうすると、音響エンジニアは、アコギの低音域をEQで適宜にカットして、他の楽器の邪魔にならないようにします。
アンサンブル的には、アコギの重要な帯域は低音域ではないからです。
しかし、EQを掛けると、その帯域だけが減少するだけでなく、他の帯域にも影響します。場合によっては位相もおかしくなります。つまり、簡単に言うと変な音になりやすいのです。
また、ハウリングもしやすいので、あまり大きな音でモニターに返してもらうことはできません。

その点、ソリッド・タイプのアコギは共鳴胴がありませんから、余計な低域は初めからありません。ですから過剰なEQをする必要がありません。アンサンブルの中で必要な帯域だけが鳴るのです。ハウリングの問題もありません。
結果として、音響エンジニア的には音造りやMixがしやすいのです。

しかし、逆に編成の小さいアコースティックなアンサンブルでは、ソリッド・タイプのアコギでは、音の厚みや深みが足りません。いくらプリアンプやリバーブで補おうとしても根本的なところの違いはどうしようもありません。

次に、録音の場ではどうかについてです。
録音では当然、マイク録りするので、ソリッドというわけにはいきません。通常は箱物タイプを使います。
ただ、箱物といっても、エレアコとそうでないアコギでは、作りも鳴りも違います。
一般的にアコギもエレアコも、トップの板が薄いと鳴りが良くなります。エレアコの場合、鳴りが良すぎると、ハウリングしやすくなる為、少しトップを厚くしたり、裏面を細工したりして鳴り過ぎないようにしている事が多いのです。
その点、初めからエレアコではなく生のアコギとして作られたアコギは鳴りが良くなるように作られています。特に倍音の出方などが違うので注意が必要です。
最近はエレアコでもある程度、生の鳴りも良いものが多いようです。ただ、こうした生の鳴りがよいエレアコはバンドの中では意外と音が抜けません。

次に、演奏内容による違いです。
ソリッド・タイプの場合、箱物タイプのギターより、ネック幅が狭いものが多いように思います。因みに、私が愛用しているクルーズのエレアコは、完全にソリッドで、どう見てもテレキャスターにしか見えません。ネック幅はエレキギターと同じですし、弦高も低めでテンションも低めですから、エレキギター弾きが、エレアコに持ち替えても弾き心地はまったくエレキと変わりません。
コードを素早くチェンジしたり、単音のソロを弾いたりするのもエレキギターのようにとても楽です。
ただ、デメリットはテンションが弱めで弦高も低めなので、アコギのつもりで強めにピッキングすると、例えばコードなどはぺしゃっとしていまいます。また、ネック幅が狭いので、弦と弦の距離が近くて右手の指が入りにくく、指弾きがしにくいという欠点があります。

このようにタイプによってメリットやデメリットがあるので、自分がどんな状況や使い方をするのかによって選択するギターは変わってくるのです。この辺りをよく考えて目的に合った楽器を購入してください。

矢萩秀明

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